遺産相続の弁護士費用の相場と内訳|支払えない場合の対処法も解説

「遺産相続の手続が必要になりそうだけれど、弁護士に依頼したほうがいいの?弁護士費用の相場は?」

遺産相続は、法的な知識や手続きが必要となるため、弁護士のサポートが欠かせません。

しかし、弁護士費用がどのくらいかかるのか、誰が負担するのか、費用を払えない場合の対処法など、疑問や不安を抱える方も多いでしょう。

本コラムでは、遺産相続における弁護士費用の相場やその内訳、費用負担の方法、費用を節約するためのポイントなどについて解説します。

本コラムが、遺産相続を控えている方の一助となれば幸いです。

遺産相続の概要

まず、遺産相続の概要についてご説明します。

遺産相続の基本的な流れ

遺産相続とは、簡単に言えば被相続人(亡くなった方)の財産を相続人が受け継ぐ手続です。

相続人が複数いる場合の基本的な流れは、次のようになります。

1 被相続人の死亡により相続が開始

     ↓

2 相続人を確定し、遺産の内容を把握

     ↓

3 遺産分割協議を行い、相続人間で遺産の分割方法を決定

     ↓

4 遺産分割協議書を作成

     ↓

5 相続登記や名義変更などの手続

遺産相続の手続は複雑であり、相続税の申告や納税も必要になる場合があります。

なお、相続税の申告期限は、原則として被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。

この期限を過ぎると、延滞税や加算税がかかることがあるため注意しましょう。

相続税については、税理士や税務についても取り扱っている弁護士に相談することをおすすめします。

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弁護士に依頼するメリット

遺産相続の手続きは法的な知識が必要であり、相続人間でのトラブルも発生しやすいです。こうした場合に弁護士に依頼するメリットは次のとおりです。

  • 弁護士は法律の専門家であり、遺産相続に関する適切なアドバイスを提供できるため、知識不足により不利益を被るリスクを回避できる
  • 戸籍謄本や住民票などの収集を任せられる
  • 弁護士が介入することで、相続人間のトラブルを未然に防げる可能性が高まる
  • 相続人同士で意見の対立がある場合でも、弁護士は遺産分割協議の代理人として交渉してくれる
  • 代わりに交渉してくれるため、親族同士のトラブルによって生じる精神的負担の軽減が期待できる
  • (調停や裁判を依頼した場合)基本的には代わりに出廷してくれ、裁判所での手続や裁判所に提出する書類の作成を任せられる

遺産相続の弁護士費用の相場

弁護士費用の種類や、遺産相続手続を依頼した場合の一般的な弁護士費用の相場についてご説明します。

弁護士費用の種類

一般的な弁護士費用の種類をご紹介します。

あくまで一般的な種類であり、名称や料金体系は法律事務所によって異なるためご注意ください。

(1)相談料

相談料は、弁護士に正式な依頼をする前に、法律相談の費用として発生します。

主に、事案の見通しや具体的な解決方法を示してもらったり、正式に依頼した場合の費用について説明を受けたりすることになるでしょう。

一般的に、相談料の相場は30分あたり5,000円から1万円程度とされていますが、法律事務所によって異なる場合があります。

また、初回相談は無料で提供している法律事務所もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

(2)着手金

着手金は、弁護士に正式に依頼する際に支払う費用です。

これは、弁護士が案件に取り組むための初期費用であり、案件の結果に関わらず返金されないことが一般的です。

遺産相続の案件では、着手金の相場は20万円から30万円程度が一般的ですが、案件の複雑さや遺産の総額などの要素によって変動すると考えられます。

もっとも、成功報酬制を採用しており、依頼した段階では着手金などの費用がかからないことになっている法律事務所もあります。

(3)報酬金

報酬金は、案件終了時にその結果(得られた利益など)に応じて支払う費用です。

遺産相続の場合、相続によって得られた経済的利益の額に応じて算出されるのが一般的です。

そのため、相続によって獲得できた利益が多ければ多いほど、報酬金も高額となる傾向にあります。

もっとも、報酬金の発生条件や具体的な金額については、事前にしっかりと弁護士に確認しておくようにしましょう。

(4)実費や日当

実費は、主に弁護士が案件を進める際に発生する交通費や郵送費、調停の申立費用などの経費や、戸籍謄本などの書類を取り寄せるための手数料です。

また、日当とは弁護士が遠方に出向く場合の出張手当のようなものです。

例えば、「調停や裁判への出席につき1回あたり〇万円」といった形で定められることが多く、1日あたり5万円前後が相場となっています。

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相場の変動要因

遺産相続における弁護士費用の相場は、いくつかの要因によって変動します。

まず、遺産の総額が大きな影響を与えます。遺産の評価額が高いほど、弁護士費用も高くなる傾向があります。

次に、案件の複雑さも重要な要因です。特に相続人間での争いが激しい場合や、遺産が多岐にわたる場合には手続きが複雑になるため、費用も高額になりがちです。

これらの要因を考慮し、事前に費用についてしっかりと確認することが必要です。

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遺産相続の弁護士費用は誰が払うのか

弁護士費用は、基本的には依頼者が負担します。紛争の原因となっているほかの相続人がいたとしても、その相手に支払わせることはできません。

たとえ相手の不当な主張が原因で紛争が生じ、それによって弁護士に依頼せざるを得なくなったとしても、弁護士費用は依頼した本人が支払うことになります。

もっとも、遺言執行にかかる弁護士費用は相続財産から支払うことになっているため、依頼内容によっては相続人で分担するといえる場合もあるでしょう。

また、遺産分割協議の結果、弁護士費用を遺産から支払うことが合意されることもあり、このような場合には遺産の一部を弁護士費用として充当することができます。

事前に相続人間で合意しておけば、スムーズに手続を進めることができるでしょう。

弁護士費用を払えない場合の対処法

弁護士費用を払えない場合でも、いくつかの対処法があります。

まず、法テラスを利用する方法です。法テラスには、民事法律扶助といって、一定の条件を満たす場合に無料相談や弁護士費用の立替えを行ってくれる制度があります。

ただし、法テラスの利用には次のような注意点もあります。

  • 収入や資産が一定以下でなければ民事法律扶助は利用できない
  • 審査に時間がかかることがある
  • 自由に弁護士を選べるわけではない(相続手続に不慣れな弁護士や、相性の悪い弁護士にあたることもある)

次に、弁護士費用を分割払いにできる場合もあります。

弁護士や法律事務所によっては、依頼者の経済状況に応じて柔軟に対応してくれることもあります。

また、成功報酬制の料金体系を採用している法律事務所を探すことも一つの方法です。

事前に各種支援制度や相談先を調べ、適切な対処法を選ぶことが重要です。

遺産相続の弁護士費用に関するよくある質問

Q 事前にすべき準備や情報収集は?

まず、相続人全員の確認を行い、連絡先を整理します。
次に、被相続人の財産目録を作成し、遺産の全体像を把握できるとよいでしょう。
また、遺言書の有無や内容を確認し、必要な書類(戸籍謄本や住民票など)を揃えます。
さらに、相続税や手続に関する基本的な知識を学び、弁護士や税理士に相談する準備を整えることが大切です。

Q 弁護士費用を節約する方法や注意点は?

事前に複数の弁護士から見積もりを取り、費用を比較してもよいでしょう。
また、初回相談を無料で提供している法律事務所を利用するのも一つの手段です。
そして、依頼する際には弁護士の説明をよく聞き、不明点があれば遠慮なく質問しましょう。弁護士費用の内訳を確認させてもらうことも重要です。

【まとめ】依頼する内容により、遺産相続についての弁護士費用は異なる

遺産相続における一般的な弁護士費用は、相談料、着手金、報酬金、実費や日当など多岐にわたります。

また、弁護士費用の相場は遺産の総額や案件の複雑さによって変動し、依頼者本人が負担します。

弁護士費用を支払えない場合は、法テラスの利用や、分割払いに対応している法律事務所を探すなどの対処法があります。

弁護士のサポートを受けることで、遺産相続の手続きの円滑な進行が期待できるため、相続でお困りの際は一度弁護士に相談してみることをおすすめします。

アディーレ法律事務所には、遺産分割協議、相続税、遺言書作成など、複雑な遺産相続の手続をまとめて依頼できます。

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この記事の監修弁護士
重光 勇次
弁護士 重光 勇次

弁護士になってから,さまざまな方のご相談を受けてまいりました。その中で,「先生に話を聞いてもらって,とにかく気が楽になった」という方や,「心配に思っていた点が実はそんなに心配するようなことではないとわかって,安心した」という方がたくさんいらっしゃいました。不安に思われている点や悩みを解決したい方は,とにかく気軽に弁護士にご相談ください。あなたの立場にたって,親身にかつ真摯にお話をお聞きします。

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